こんにちは、スタッフの天野です。
前回、咳が出るのは心臓病のサインかも?!というお話しをしました。
今回は、同じく咳が出ることが病気のサインとなる 気管虚脱(きかんきょだつ)についてお話ししようと思います。
この病気の名前、聞いたことはありますか?
呼吸に欠かすことのできない軟骨でできた筒状の気管がつぶれることで呼吸器症状が出てくる病気です。
ポメラニアン、ヨーキー、チワワ、トイプードル、マルチーズなどの小型犬に多くみられるのですが、あらゆる犬種で発生しています。
はじめのうちは「カッカッ」「ケッケッ」という乾いたような咳が単発で出てきます。
お水を飲んだときにむせることもあるかもしれません。
段々と長い咳も出るようになり「カーッ」とたんを吐くような仕草もみられます。
興奮するとどんなわんちゃんも速い呼吸になりますが、重度の気管虚脱の子は息を吸っても吐いても「ガーガーガー」と連続で呼吸音が聞こえるようなことも多々あります。
また、気管がつぶれて呼吸が苦しくなると、酸素が足りず、舌の色が青紫になり、放っておくことはとても危険です。
もしも咳のような症状がみられたら、はやめに受診してください。心臓病と同じく、聴診、レントゲン検査等で確認し、評価をしていきます。
つぶれてしまった気管を戻すことは難しいですが、咳が出ないようにするため、飲み薬でケアしてあげることはできます。
今現在なんともない子でも、高温多湿の環境を避けることや、お散歩のときにリードで強く引っ張らないこと、肥満にさせないなど、日ごろから意識してあげましょう。
またこの病気に限らず、普段から犬ドックを受けていただき定期的に検診をすることで、症状が出る前に早期発見ができるメリットがあります。
前回と比べてどうかな?と健康な時の画像や数値もとても参考になりますので、若いうちから検診を受けていきましょう☺
正常な気管
黒く抜けた道(気管)がつぶれていないことが確認できます。
気管虚脱が起こった状態
矢印の箇所がつぶれていることが分かります。
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